愛犬のデンタルケアについて

歯周病など口腔内のトラブルがあると、痛みがあったり、口の中の違和感により食事が摂りにくくなったりします。
ただし、野生動物の名残りなのか、犬は自分の弱点をあまり他の動物に見せないため、痛みがあるのかどうかが分かりにくい場合が多いので、飼い主さんが、腔内のトラブルに早期に気付くためには、犬の行動・仕草にも注意する必要があります。
下記のような仕草がみられたら、歯周病の可能性がありますので、見逃さないように。

デンタルケアのアドバイス

「動物病院で処置してもらおう」と思っている人が多いように思いますが、ほとんどの動物病院での歯科処置には全身麻酔が必要。リスクが伴う上、その時の健康状態によっては麻酔をかけられず、処置を行えない場合もあることを知っておいてください。
もちろん、デンタルプロケア(無麻酔歯石除去)を行っても、その後、何もしなければ再び歯垢・歯石が付着するため、家庭でのケアは大切なことです。


ケアの仕方を覚えて、実践しましょう

●口を触らせることに慣れさせるデンタルケアにはいろいろな方法があるが、最も効果的な方法としてガーゼを使った「歯みがき」をおすすめします。
●口の中がみえない、歯がみれない状態で 歯ブラシを使うと、口の小さいワンちゃんなどとくに、歯ぐきを痛めたり、嫌なことだと印象づけてしまうことが多いので気をつけましょう。
●歯みがきが苦手な子は多いが、段階を追って根気よく慣らしていけば、多くの場合、受け入れられます。
ポイントは、飼い主さん自身が焦らず、楽しみながら取り組むこと。
●急いでやろうとして体を無理に押さえたりしない
●いきなり口にブラシを入れない。歯磨き嫌いの原因となる
最初は「指で触る→ガーゼでこする→できるようになったらブラッシング」という3段階で慣れさせましょう。もちろん、飼い主さんがなれることも必要です。一つできたら必ず褒めてあげてください。
また、最初は短時間で切り上げ、終わったら散歩へ行く、オヤツを与えるなど、楽しいこととセットにするのも効果的です。

ワンちゃんの毎日のケアについて

毎日、愛犬の身体を触ってあげていますか? 愛犬の様子を観察してあげていますか?
わんちゃんにとって、お母さんの手は「魔法の手」です。
触ってあげることで、わんちゃんを、安心させてあげることができます。
リラックスさせてあげることができます。
そして、お互いが幸せな気持ちになれます。
触ること、観察することで、何よりも、愛犬の「普通の状態」を知っておくことができます。
この普通の状態を知っておくことで、なにか変化があったときに見逃さず、病気や、怪我の早期発見ができるのです。
日常に、これだけはチェックしていただきたいという項目をあげました。
「デーリーチェック」と呼ばれるものです。
こちらの8項目は、お散歩の時や食事の時、遊んでいる時に簡単にできるものですので、毎日のドッグライフのなかに、取り入れて頂ければと思います。

  • 耳、目、鼻、乳首、陰部から分泌物がないか・耳のたれは手で挟んで赤みや腫れがないかをチェック
    ・乳首は指先で優しくつまんでしこりや分泌物がでないかチェック
    ・陰部は検視。ピンクで潤いのあるのが正常
    ・目は涙の量や、目やにの色、量、充血やただれも検視する。
    口のよだれ、におい、歯ぐきの腫れや色をチェック・舌、歯ぐきもピンクが正常。歯ぐきに腫れや傷はないか
    ・歯ぐきと歯の境目に歯垢や歯石はついていないか、ひどい歯垢は腎臓や心臓にも影響を与える
    ・よだれはネバネバが強くないか、匂いはきつくないか
    排泄物の色や量、硬さはいつもどおりか・黒、赤っぽい便には特に注意。つかめるくらいの硬さ、茶色がベスト
    ・尿がでない、血尿やオレンジ、匂いがきつい等注意。
    食事の量はいつもどおりか・1日何も食べないのは異常あり。やせてきていないかもチェック
  • 呼吸、歩き方、姿勢や動きにおかしいところはないか・1分間に15~25が正常。歩き方で骨や関節の異常、脱臼等を発見できる
    ・特に後ろ足がひどいX脚やO脚のときは股関節や膝に異常あり
    ・片足で走る時があったり、均等に足が運ばれてないと、足裏などに傷があることも
    胴体、臀部、四肢が左右対称か・首〜背中〜臀部に向って進み、筋肉の量、大きさなどが左右対称かどうかを確認
    ・足の長さが同じか、大腿部、臀部の筋肉の大きさが同じかを確認
    ・左右のバランスが整っていることが、とても大切
    肉球がべたついたり、熱や傷、異物がないか・肉球の間をひろげてチェック。
    ・乾燥してひび割れやすく、怪我もしやすいのでクリーム等でケア
    皮膚に外部寄生虫はいないか、毛がない、腫れかゆみの箇所がないか・毛並みを逆立て、すこしづつ皮膚をつまみ上げてみる。
    ・皮膚の赤みやしこり、腫れ等がないかチェック
    ・毛並を整える様に手のひらでからだをさわって熱を持った箇所をチェッック